競合モニタリングで競争優位を生み出す-対競合戦略と実践 Part1-


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こんにちは城野優です。今回は塾経営に置ける対競合戦略についてお話させて頂きます。みなさんの中で競合対策をされている方はいらっしゃいますでしょうか?おそらく競合対策を行っている方は殆どいないのではないかと思います。テレビCMを打っているような大手の塾ですら、競合対策をしっかりと行っているところは少ないというのが私の見立てです。「そもそも競合対策が必要なのか?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、競合対策は、「敵を知る」という観点でも、「自分達の塾をさらに進化させていく」という観点でも必要であると考えます。

「敵を知る」という観点で言えば、競合がより世の中のトレンドにあった、そして質の高いサービスを提供し始めている時に、その状況をキャッチできずに現状維持を続けてしまえば、顧客を失うことに繋がります。一方で、競合の変化やサービスの質向上の取り組みをタイムリーにキャッチすることができれば、何かしらの対応を考えることで顧客の損失を防ぐことができるかもしれません。つまり、「敵の動きを知る」ことで顧客損失の可能性を打ち消すことができるかもしれないということを意味しています。

また、「自分たちの塾をさらに進化させていく」という観点で言うと、競合の講義ラインナップ、授業内容、講師育成プログラムなど、様々な観点で競合をモニタリングをしていると、自塾と競合のそれぞれの「強いところ」「弱いところ」が明確になり、「競合と比較して弱いところは改善しよう」であったり、「競合と比較して強いところは、さらに進化をさせて競争優位を築こう」など弱み・強みの改善・進化に向けたキッカケとなりうるのです。
競合の動きを把握できていないと、競合がどんどんサービス内容を拡充し、授業レベルを上げ、合格実績をあげていく中で、その事実に気づかず、”気がついたら世の中のトレンド・サービスレベルについて行かなくなり”、入学希望生徒が激減していたということになりかねません。

皆さんもイメージがつきやすいような例を出しますと、地方で一人で独学している受験生と東京の進学校に通い大人数で勉強をしている人ではどちらの方が名門校に受かりやすいでしょうか?確率的には後者の進学校に通いながら大人数で勉強をしている人の方が合格可能性が圧倒的に高いと言えると思います。やはり、仲間や敵がいない中で一人で勉強をしていては、どれだけ自分のライバルが勉強していて、いつ時点でどのくらいのレベルに達している必要があって、どれくらい努力すれば合格できるのか、ということがわかりません。したがって、ゴールとの距離、敵との距離が分からないわけですから、適切な努力の方向や量も分からず、結果として合格の確率が低くなってしまうと言えるかと思います。
一方でライバルに囲まれて、ライバルを見ながら勉強をしていれば、同じ目標を目指すライバルがどのように勉強して、どれくらいの時間勉強して、どれくらいの結果を出している、ということをリアルタイムで見ることができるため、結果として必要な努力の量と方向性、そして「どうすれば敵に勝てるのか?」という戦略を立てることができるため、結果として合格確率が高いと言えるかと思います。

塾経営でもまさに同じで自塾だけを見ていては、周りの塾の努力や結果としての進化の姿を見ることができないため、周りの塾の努力レベルに負けていた時に、期間が経てばたつほどに差をつけられてしまいます。競合をしっかりとモニタリングし続けることで、競合と自塾の差や今後の必要な努力の方向性や量を考えることができるようになるのです。

では、競合をどのようにモニタリングすれば良いのかという点についてお話しさせていただきます。オススメの方法としては、「競合モニタリングシート」というエクセルシートを作成し、様々な観点で競合の情報を定期的に更新していくことです。
最低限モニタリングすべき項目としては、「生徒(ターゲットの生徒層、生徒数)」「講師(講師の層、講師数)」「講義(科目・講義スタイル・季節講習)」「価格・授業プラン」「各種キャンペーン(入会キャンペーン・紹介入塾キャンペーン等)」の項目は必須でモニタリングすべきかと思います。

別の記事で「競合3社を競合認定しましょう」というお話をさせて頂きましたが、競合認定した3社について、この項目でモニタリングをしていきます。「生徒」の項目について、「どういった生徒(学年、成績レベル)」を対象としているかという点と「生徒数」についてモニタリングを行います。「講師」の項目では、「講師がプロ講師なのか、大学生講師なのかといった講師の層」と「講師数」をモニタリングします。「講義」の項目では、「どの科目の講義を取り扱っているか」、「講義スタイルは集団型なのか個別指導型なのか、リアル講義型なのかオンライン授業型なのか」や「季節の講習はどの科目をどのような講義形式で、どれくらいの価格帯で行なっているか」についてモニタリングを行います。「価格・授業プラン」については「授業プラン別の価格」についてモニタリングを行います。「各種キャペーン」については「競合が打ち出しているあらゆるキャンペーン(入会キャンペーン・紹介入塾キャンペーン・奨学金キャンペーン等)」をモニタリングします。

ここまで、「競合をモニタリングする(知る)」ことの重要性と「具体的に競合の何をモニタリング良いのか?」という点についてお話させて頂きました。次回は、競合のモニタリングの仕方についてお話させて頂きます。

筆 者

城野優(Yu Shirono)

アメリカ合衆国出身。慶應義塾大学在学中に自身の勉強法を”城野式”として体系化し多くの本を出版。また講師として日本全国の生徒、保護者の方のアドバイザリーに従事。大手米系外資系メーカーのマーケティング・宣伝担当を経て現在は大手広告会社に勤務しながら、教育・マーケティングコラムニストとして活動。著書は「なまけものの大学受験勉強法(高陵社)」「きれいにノートは取るな-間違った勉強の常識(ごま書房)」等。

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