競合モニタリングで競争優位を生み出す-対競合戦略と実践 Part3-


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こんにちは、城野優です。前々回は競合をモニタリングすることの重要性とモニタリング項目を、前回は競合のモニタリングの”仕方”についてお話させて頂きました。今回は「競合モニタリングで競争優位を生み出す-対競合戦略と実践-」の最終編となりますが、モニタリングした競合情報を実際に競争優位確立に向けて活かすための方法についてお話させて頂きます。

そもそもの話に一度立ち返りますと、競合モニタリングを行う目的は、”競合と自塾の差”を正確に認識することで、今後の努力の方向性や努力の量を見立てることでした。従って競合をモニタリングしているだけでは、意味がなく、モニタリングした競合情報を元に、今後努力すべき方向性と量を見定め、競合との競争優位確立に向けたアクションを実際に起こしていく必要があるのです。とは言え今までお話させて頂いた通り、複数の項目についてモニタリングを行なって行くため、漠然と「競合と差がついているから改善しないといけない」と思っているだけでは、情報をフル活用して対策を行なっているとは言えません。モニタリングした情報を元に、明確に行動すべきアクションプランを決める必要があるのです。

アクションプランを決める上で重要となるのが、「強みを伸ばすのか」或いは「弱みを克服するのか」という観点です。「強みを伸ばすのか」或いは「弱みを克服するのか」というテーマはよく議論になるテーマでありますが、明確な方針を持っている方は少ないのではないでしょうか。強みの部分はある程度競合と比較して優位性があるので、まずは弱みを克服しようという方針もあるでしょう。一方で、弱みは完全に無視をして強みだけを伸ばすという方針もあるでしょう。

今回ご提案させて頂く方針は、これらの方針の折衷案です。基本的には強みを伸ばすことに集中しつつ、競合と比較して平均を下回る項目については平均点レベルまでは弱みを克服しようという考えです。なぜ、このような方針が良いかと言うと、投資した時間に対するROIを考えるとその理由が分かります。塾ビジネスも一般的なビジネスと同じく稼働できる時間は限られております。従って、限られた時間の中で大きな成果/リターンを上げることができる塾こそが、顧客に選ばれ、事業を伸ばすことができます。弱みというのは本来自塾が苦手としている部分ですので当然、弱みを克服しようとすると時間がかかります。一方で、強みというのは、本来自塾が得意としている部分ですので、さらに強みを伸ばしていくのに時間はかかりません。
つまり同じ時間を使うにしても弱みを克服するのに時間を投資してもあまりリターンを得られない一方で、強みを強化することに時間を投資すると、同じ時間で大きなリターンを得ることができるのです。では、全ての時間を強みを伸ばすことに費やせば良いかと言うと、そう単純ではありません。競合と比較して平均点を下回る/著しくマイナスの差がある項目がある際には、その弱みを放置していると強みの足を引張てしまうリスクがあります。
例えば、競合と比較して合格実績という”実績”そのものに強みがあったとしても、教員のマナーが著しく悪いというような弱みがあった際には、例え合格実績突出していたとしても教員のマナーの悪さから他の競合が選ばれてしまう可能性は十分にあるでしょう。もしこのような状況であった場合には、教員のトレーニングを行い、少なくとも競合と比較して平均点レベルのマナー水準へ引き上げる必要があります。

競合情報のモニタリングを基にアクションプランを考える際には、集中的に時間を投下する「強み」と、平均点レベルまで引き上げる必要がある「弱み」を明確にします。その上で、「どの強みをどのようにさらに強化していくか」と「弱みをどのようにして平均点まで引き上げるか」という観点でアクションプランを策定します。アクションプランを策定する際にやりがちなのが、ついつい色々な項目をプランに組み込んでしまうことです。例えば、対象学年の拡充、授業へのIT化の導入、自習スペースのクリーン化、キャリア教育の開始等々、色々と手を広げたくなる気持ちは分かります。しかし、限られた時間で全てをやりきろうとすると大抵がうまくいきません。時間にしても、人的資源についてもリソースが分散してしまうため、それぞれの取り組み対して結果としてリソースを十分に割り当てることができず、結果に繋がらないのです。それぞれの取り組みで成果を出す為には、それなりの時間的、人的なリソースを割り当てる必要があるのです。

おすすめの方法としては、1年間のアクションプランのテーマを多くても5つ以内に絞ることです。そして、テーマを絞ったらその年には、「そのテーマに関する取り組みしか行なわない」という強い意思を持って、テーマに取り組むことが重要です。何かをやると決めるということは、裏を返せば、何かを捨てるということと同じことなのです。

3回に渡り「競合モニタリングで競争優位を生み出す-対競合戦略と実践-」とうテーマで競合モニタリングを行う重要性、そして競合モニタリングの手法、競合情報を基にしたアクションプランの策定方法についてご紹介させて頂きました。中々塾業界では珍しい考え方だと思いますが、ビジネスの基本中の基本であることも事実です。基本的なことを徹底してやり抜くことで、顧客から選ばれる塾を創り上げることができると私は信じております。是非、皆様も競合モニタリング及びアクションプランの策定をお試しいただけると幸いです。

筆 者

城野優(Yu Shirono)

アメリカ合衆国出身。慶應義塾大学在学中に自身の勉強法を”城野式”として体系化し多くの本を出版。また講師として日本全国の生徒、保護者の方のアドバイザリーに従事。大手米系外資系メーカーのマーケティング・宣伝担当を経て現在は大手広告会社に勤務しながら、教育・マーケティングコラムニストとして活動。著書は「なまけものの大学受験勉強法(高陵社)」「きれいにノートは取るな-間違った勉強の常識(ごま書房)」等。

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