塾マーケティングとしての出版 -Part3-


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こんにちは、城野優です。今回は「塾マーケティングとしての出版」というシリーズの最終パートとなります。

これまでに、「塾マーケティング」として出版を行うメリットと、実際に出版を行う際の出版社へのアプローチ方法と出版企画立案方法についてご紹介頂きました。今回は実際に出版企画が通り、実際に執筆を行うフェーズにおける章構成の組み立て方と、執筆方法についてご紹介させて頂きます。

どのような内容にすべきか?

出版のゴールは確かに、「塾の名前、教育方針、指導方法」を見込み客(保護者の方々或いは生徒の方々)に知って頂くというマーケティング・ブランディング目的なのですが、一方的にこちら側が伝えたいことだけを盛り込んでも読者の興味を惹くことはできません。ゴールを達成するためには、読者のためになる情報を盛り込み、読者のアテンションを獲得する必要があります。

では、読者の関心事は何かというと、「志望校に合格する方法/具体的かつ効率的な学習法/モチベーションの保ち方等のメンタルマネジメント方法」がメインになります。読者の関心事に沿った内容を盛り込み、自塾独自の学習方法やメンタルマネジメント方法等を読者にエデュケート(教育)し、その結果として塾自体にも興味を持って頂くという仕立てが一番自然な形です。

また、少しテクニック的なポイントになりますが、文章の中で塾の実績に触れる際には具体的な数値で表現する事で格段に信憑性を高めることができます。例えば、「本塾が提唱する学習法で多くの生徒の成績がアップしました」という文章より、「本塾が提唱する学習法を実践することで、約50%の生徒が模擬試験の偏差値を2ヶ月間で5ポイント以上UPさせることに成功しました。また残りの50%の生徒についても、2ヶ月間で平均して偏差値を3ポイントUPさせることができました」という表現の方が明らかに信頼度が高い文章と言えるでしょう。「学習法の提案」を行う事で、読者から「入塾への興味」を獲得するためには、「塾の実績」という客観的なデータをクッションとして挟む事がキーとなります。

一方でまだ設立してから期間が浅い塾や、高い実績が出ていない塾については、実績を数値で表現することが難しいので、数値を使わず定性的に学習法の効果の高さや妥当性をしっかりと説明することを心がける必要があります。

章構成の組み立て方

章構成を考える際には、「本を通じて読者に伝えたいこと」「本を通じて自分達が達成したいこと」の2つの観点を考え、そこから逆算して章構成を考えると良いでしょう。例えば、

-本を通じて読者に伝えたいこと:主要科目の効率的な学習法
-本を通じて自分達が達成したいこと:読者の方に入塾を検討して頂く

という状況であれば、下記のような章構成を組み立てることができます。

-はじめに:本書で伝えたいこと
-国語の効率的な学習法
-数学の効率的な学習法
-英語の効率的な学習法
-塾の概要
-最後に

章構成の骨子さえ固まれば、後は章構成をさらに細かく砕いていけば良いのです。例えば下記のようなイメージです。

-はじめに:本書で伝えたいこと
-国語の効率的な学習法
・国語とはどういう科目?
・国語で失敗しがちな勉強法
・国語の効率的な学習法(初級編)
・国語の効率的な学習法(中級編)
・国語の効率的な学習法(上級編)
-数学の効率的な学習法
・数学とはどういう科目?
・数学で失敗しがちな勉強法
・数学の効率的な学習法(初級編)
・数学の効率的な学習法(中級編)
・数学の効率的な学習法(上級編)
-英語の効率的な学習法
・英語とはどういう科目?
・英語で失敗しがちな勉強法
・英語の効率的な学習法(初級編)
・英語の効率的な学習法(中級編)
・英語の効率的な学習法(上級編)
-塾の概要
・当塾の想い
・当塾と他塾の大きな違い
・卒業生の声
・実績
・アクセス/入塾方法
-最後に

まずは、大きな骨子として伝えたい項目を洗い出した後に、大項目を細分化してブレイクダウンしていくとMECE(抜け漏れなく、ダブりなく)章構成を組み立てることができます。今回はあくまで例ということで固い章タイトルをつけておりますが、実際には親しみやすいわかりやすい章タイトルにすると良いでしょう。

文章の書き方

章及び項目構成が決まった後は実際に文章を書いていくフェーズに入りますが、いきなり思いつきで文章を書こうと思ってもスラスラ文章が書けるものではありません。おすすめの方法としては、「スケルトン」と言って、各項目ごとに「どのような要素」を「どのような流れ」で文章を書くのかという設計を予め行うという方法があります。例えば、「国語で失敗しがちな勉強法」という項目で言うと、

-国語で失敗しがちな勉強の例①
-国語で失敗しがちな勉強の例②
-国語の勉強法を失敗してしまう理由①
-国語の勉強法を失敗してしまう理由②

のように「国語で失敗しがちな勉強法」の項目を構成する要素を予め「スケルトン」として洗い出しておけば、比較的スムーズに文章を作成することができます。実際には各要素をもう少し具体的に表現しておいた方が文章の作成が容易かもしれません。

全3回に渡り、「塾マーケティングとしての出版」というテーマで「塾マーケティング」を目的とした出版のメリット・方法についてご紹介させて頂きました。チラシ、WEB広告と比較して予算観点、ブランディング効果観点でも優位性がありますので、本記事をキッカケにチャレンジして頂けますと幸いです。

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筆 者

城野優(Yu Shirono)

アメリカ合衆国出身。慶應義塾大学在学中に自身の勉強法を”城野式”として体系化し多くの本を出版。また講師として日本全国の生徒、保護者の方のアドバイザリーに従事。大手米系外資系メーカーのマーケティング・宣伝担当を経て現在は大手広告会社に勤務しながら、教育・マーケティングコラムニストとして活動。著書は「なまけものの大学受験勉強法(高陵社)」「きれいにノートは取るな-間違った勉強の常識(ごま書房)」等。

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