目指す広告は「魅せる」広告


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小売業とは異なり塾の集客においては、セールイベントでお客様を呼び寄せることはできません。授業料を安くして生徒を集めることには、限界があります。目に見えない価値を提供しているビジネスだからこその難しさと言えるでしょう。更に言えば、同時に正規料金を払っているお客様がいることとの整合性をつけられるのでしょうか。セール期間中、全生徒の授業料を値下げでもすれば別でしょうが、非現実的な話です。確かに塾の集客においては「口コミ」が最大の武器です。それを理解した上で、チラシで効果的にお客様を集客するのは無理なのでしょうか。そこを考えてみましょう。

「伝える」広告と「見せる」広告

具体的に「合格実績」をチラシにする場合で考えてみましょう。「伝える広告」でアピールする場合は、できるだけたくさんの合格校と人数をチラシに掲載しなければなりません。できるだけ多く載せることがポイントです。合格者のコメントも具体的な塾の良さを小さな字でたくさん載せます。できる限りの情報を盛り込みます。

さて、ここで問題となるのが「数」の理論です。生徒がたくさんいて、合格した学校の数や合格者数が多ければよいのですが、そうでなければ寂しいチラシになるでしょう。そういう場合は、「見せる広告」に徹すればよいのです。合格の喜びに溢れている笑顔の写真を数枚掲載できて、講師とがっちり握手しているようなイメージを伝えればよいのです。写真の掲載許可を得ることは当然ですが、できれば3人くらいは最低掲載したいところでしょう。一人二人では、他に合格者がいないのかと逆に疑われることになります。そして掲載コメントは短く、「わからないところをじっくり教えてくれたおかげです」とか、「○○塾に出会ったから合格できました」というような抽象的な短いコメントが付けば十分でしょう。じっくり読むというよりも、パッと見て印象に残ることだけを狙いとします。

塾の広告はネット社会が基盤にあることを意識する

さて「伝える」広告と「見せる」広告では、どちらの方がより効果的だと考えていますか?

どちらにも良さがあるから、使い方次第だと考えますか?その答えを考える際に、現代はネット社会であることを十分に意識していただきたいと思います。個人塾の経営者の中には、ネット情報を軽視する方がおられますが、今の保護者はスマホとPCを普通に使いこなしています。口コミ情報を常に確認した上で、購買の決断を下しているのです。スーパーのセールのときには、スマホで他店の価格を確認してから購入する主婦の姿が普通に見られます。

このような現状が理解出来れば、「伝える」広告の無意味さが理解できるでしょう。新聞の折り込み広告やポスティングされた広告をじっくりと読んでいる保護者像は昔の話です。ネットを調べれば、良い噂やそうでないものまでいろいろと出てきます。塾のホームページから様々な情報をじっくりと確認できる現代であれば、「伝える」広告は不要です。忙しいから後で読もうと思っていても、結局は資源ごみになる運命の広告です。「後で読もう」と思っているから、ホームページを見ようともしてくれないでしょう。

今必要なのは、「見せる」広告を使ってリサーチ欲をかき立てることです。「見せる」広告で、塾のホームページを見てみようと思うきっかけを作ればよいのです。

「見せる」広告で「魅せる」

塾の広告は「見せる」を中心に作るべきですが、最終的には「魅せる」を目指す必要があります。それは競合相手との差別化です。全ての塾が「うちの塾はココが凄いんですよ!」と言い続けているのですから、保護者としては魅力を感じなくなるわけです。「おやっ?」って思わない限り、興味・関心を惹くことはできません。

だからこそ、「魅せる」広告にすべきなのです。最近「教えない塾」という売り方をしているところがあります。まさに「おやっ?」と保護者や生徒の興味・関心を惹いています。大学受験の文系だけをターゲットにしていますが、これは実績作りに非常に好都合です。理系よりも実績が作り易い。その塾の経営者の方は、なかなかに優れた経営戦術を練られています。このように何で「おやっ!」と思わせるか、そこのアイデアが大事です。他にも高校受験専門の塾で、中学校3年生しか募集しない塾もあります。中学の2年間は部活推奨です。「中学1年生・2年生はお断り!」を売りにし、生徒募集時期も年一回だけです。これで三ケタの生徒を一気に集め、後は中学1年生レベルの内容から鍛え直すのです。なんと効率がよいことでしょう。

一つの広告で仕掛ける3つのミッション

さて、チラシで「魅せる」ことができれば1つ目のミッション成功です。後で述べますが、実はこのファーストミッションが非常に大事なのです。次に塾のホームページを閲覧してもらえれば、二つ目のミッション成功となるでしょう。いよいよ3つ目のミッションですが、それはホームページを見て塾に足を向けてもらうことになります。最初からチラシにイベントを載せておけば面倒臭くないのでは、というご意見はごもっともです。しかし、誰もが目にするこのイベントに何が何でも参加しようという気持ちにさせるのは簡単なことではありません。そこであくまでも特別な仕掛けを作るのです。

「うちの塾で生徒の成績が伸びる秘密は、ホームページだけで公開中!」というようなフレーズでホームページにアクセスしてもらい、「◇◇の指導は、国語力の強化がポイント!◇◇が苦手な生徒は日本語を理解してない!?」というような記事を掲載しておくのです。あくまで抽象論で結構。そして、「実際にどのような指導をしているか保護者の方対象に説明会を行います。ライバル塾も知りたがっている指導法の説明会を、このページをご覧いただいた方のみご招待します。限定○○組△△人様限定です。」という形で申込フォームを作っておく。チラシを見てホームページにアクセスしてくれた方だけを招待する特別感が大事なのです。この三つのミッションを成功させるには、とにかく最初のミッションである「魅せる」なのです。

Gaku

大学入学直後から塾講師のアルバイトを始め、大学3年時には大手の進学塾講師となる。そこで経験した「研修」に魅了され、週4日授業を担当して、学生ながら新卒の年収以上を稼ぎ出す。大学卒業後も、塾講師のやりがいを忘れられず正社員として大手進学塾に再就職。現場経験を計15年積んだ後は、本部職員として事業計画・売上予測作成や収納管理、人事、財務の経験を積む。現在は創業支援や外国人のビザ申請取次などをする行政書士として事務所を経営中(http://www.gaku-office.com/)。

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